2020年04月03日

遅読のすすめ

「速読法」については私も昔から興味があり、本を読んだが結局習得できなかった。
最近「速読」は不可能という趣旨の記事を読み、「やはりそうか」と思った。
「速読」は科学的に不可能だと証明される。

「速読法」はほとんどインチキであり(自称速読法の達人は内容をほとんど理解していない)、速く読める人は「飛ばし読み」をしているにすぎない。
その分野について多くの本を読み知識が十分にある人はすでに知っている知識の記述だと判断すればさっと読み流し、知らない知識の記述だと判断すればその部分はじっくり読む。新しい知識はインプット、古い知識は確認。これで全体として「読めている」ことになる。

速読法で文章を映像として脳に焼き付けるという方法もある。しかし、誰もがこの能力を獲得できるわけではない(訓練法はあるが難しい)。さらにこの方法だと映像として焼き付けた文章をその後読んで理解するというプロセスが必要になるので本当に効率的かどうか疑わしい。

昔ある先生から本はゆっくり読むべきと教わった。
書いてある内容が本当に正しいのか、考えながら読む。
著者と対話するつもりで読む。
他の人に内容を説明するつもりで読む。
引用文や参考図書がある場合は、引用が正しいか必ず原本にあたって確かめる。
わからない部分にぶつかったら、何度も読み返し、必要なら他の資料読んで、わかるまで前にすすまない。

私自身こういう読み方をしてきたとはいいがたい。
仕事のために短時間で飛ばし読みをするしかないという状況もわかる。
しかし、本来の本の読み方、学問のための読書はそういったものだろう。
タグ:速読
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posted by 行政書士  小林 憲一 at 14:41| Comment(0) | 日記

2020年04月01日

餅屋は餅屋

「餅屋は餅屋」ということわざがある。
私は「餅を作るのは素人にはできない。素人にはできない仕事は専門家にまかせるべき」という意味の言葉だと思っていた。
しかし、本来の意味はちがうらしい。
昔は餅は家庭で作るものだった。
各家庭に小さいな臼と杵があり、正月にはもち米を買い、自宅で蒸して餅をつくるのだ。
餅は本来家庭でつくるもの。
しかし、餅屋の餅は家庭でつくる餅とは一味ちがう。
素人ができる仕事でも、その道のプロ、専門家の手際のよさは一味ちがうから、大事な仕事は専門家にまかせるべきという意味らしい。

まさに、プロは一味ちがうという体験をしたことがある。

フィリピン人のビザ申請でフィリピンの結婚証明書と出生証明書を提出することになった。
原文は英語。
入管に提出する書類は外国語であれば日本語の翻訳文を添付しなければならない。
いつも、自前で翻訳するのだが、そのときは期限が迫っていた。
そこで翻訳業者に依頼することにした。
ここは名前を出してもいいだろう。株式会社ビーコスという。
フィリピンの結婚証明書・出生証明書の翻訳は経験があり、それなりに自信もあった。
ところが、データ形式(word形式。これだけでも太っ腹。せこいところなら書式を使い回されるのをおそれPDFで送るところ。wordなら細かい修正ならこちらでできる)で送られてきた訳文には目を見張った。
フォーマットが原文そのままでわかりやすい。
訳文も「ここはこう訳せばよかったのか!」と驚くようなすばらしいもの。
「やはりプロ(専門家)は一味ちがう。「餅屋は餅屋」というのは本当だったんだな」と思った。

次にまたフィリピンの書類の翻訳が必要になったとき、前回味をしめた私が業者に依頼することを考えたのは当然だろう。
しかし、ビーコスさん、質はいいのだが、ちとお高い。
もっと安いところないかと探したら、ビーコスの三分の一程度でやってくれる個人業者が見つかった。
しかし、送られてきた訳文はPDF。
それだけならまだしも、あちこちに間違いが。
そもそも、年月日にミスがある。
フォーマットに直接うちこむのではなく、別の依頼で作成した訳文を使いまわし、ろくに校正もしていないのだろう。
さらに、地名・人名にもミスがある。
明らかに英語を少々かじっただけでフィリピンの人名や地名についての知識はない。
「バランガイ」という言葉も知らず、「ハビエル」を「ヒビレ」と記入する。
たしかに原文は印刷状態が悪く、読みにくいが、基本的な知識があればするはずのないミス。
例えるなら「太郎」を「犬郎」とするようなミスがある。
別に専門書を読むまでもなく、ちょっと検索すれば出てくる知識。
そのとき、もう一つのことわざを思い出した。
「安物買いの銭失い」
帰化・入管手続ならおまかせ!愛知県刈谷市外国人ビザセンター
小林行政書士法務事務所



タグ:翻訳
posted by 行政書士  小林 憲一 at 18:38| Comment(0) | 行政書士

2020年03月29日

変わったお客さん

長いこと行政書士として相談を受けていると、たまにおかしなお客さんも来る。
おかしい人というのは最初まったくおかしく見えない。
ただ、途中から話がおかしくなる。
それでいて、全体を通してみると不思議に筋は通っている。
もちろん、一般常識からすればおかしな論理なのだが。

まだ若い女性。
彼氏がまったく働かない人なので別れたが、復縁を迫り嫌がらせをしてくるのだという。
これだけならよくあるパターン。
ところが途中から話がおかしくなる。
「先生、新聞とかマスコミで日本の悪口がよく書いてありますよね」
「まあ、そうだね(ネトウヨ系の人か、やっかいかな)」
「記事の『日本』というのは全部私のことなんです。彼が裏から手を回して私の悪口を書かせているんです!」
遠回しに精神科で相談を受けることを勧めてみたが、すでに通院しているとのことだった。

年配の女性が来た。
夫が水商売の女性と不倫関係にあるという。
これもよくあるパターン。
こちらも途中から話がおかしくなる。
水商売の女性はヴァンパイアつまり吸血鬼なのだという。
夫は吸血鬼の魔力の虜になっているらしい。
彼女によるとヴァンパイアには二種類いる。
1つ目は非合法なヴァンパイア。人の生き血を勝手に吸う。こちらは役所に勤めている吸血鬼ハンター的な人に依頼すればよい。
2つ目は政府から認可を受けた公式のヴァンパイア。こちらは国から活動を認められているので吸血鬼ハンターも手が出せない。法律の力でなんとかならないか?
ヴァンパイアというのはなにかの隠語なのかとも思ったが、そういうわけでもないようだ。
話はおかしいのだが、彼女なりの筋、論理は通っている。
現実に吸血鬼が実在したら、知性のある存在を一方的に虐殺するなど許されないだろう。国家が規制をしつつ限定的に活動を認める(相手の同意があり、相手の生命・健康を害しない範囲なら吸血を認めるとか)というのは有り得る話だ。そして、法律に違反した吸血鬼のみ取り締まられる。
役所が相手にしてくれないので、行政書士に相談するというのも筋は通っている。
結局、「そちらは専門外ですので」と説明して帰ってもらった。
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タグ:行政相談
posted by 行政書士  小林 憲一 at 08:35| Comment(0) | 相談