2022年06月21日

相談員としての心得

事務所での業務の一環としての相談。
市役所や本部での無料相談会の相談員としての相談。
たくさんの相談を受けてきた。
初めは法律や実務の知識さえあれば十分だと思っていた。
しかし、それだけでは相談者を満足させることはできない。
まず、相談者が何を求めているのか見極めることが大切だということに気づいた。

できるかぎり最大限の情報を集め、すでに自分の意見と方針を決め、最後のチェックを求めている相談者がいる。
どこから何を始めたらいいのか見当もつかず、最初のキーを求めてくる相談者もいる。
自分で始めたものの、難題にぶつかり解決法を求めてくる相談者もいる。

必要な情報を得た後の行動もそれぞれ異なる。
なにもかも自分でやらなければ気が済まないという人がいる。
専門家にすべてまかせたいという人もいる。
もちろん、その中間的人。例えば、申請自体は自分でやりたいが、書類の作成は専門家に依頼したいという人もいる。
これは年齢や経済力とは関係ない。
裕福で高齢という人でも自分でやりたいという人もいる。

いずれにせよ、相談者が何を求めてやってくるか、その後どうしたいのか見極めることがもっとも重要だとわかった。

相談者が求めているものをあたえられない場合はどうすればいいか?
そのときは、素直に「わかりません」と答えればいい。
調べてわかりそうなことは後日連絡しますといえばいい。
完全に専門外なら「専門外ですので○○の先生に聞いてください」という。
専門家にコネクションがあるなら紹介すればいい。


posted by 行政書士  小林 憲一 at 19:35| Comment(0) | 相談

2020年03月29日

変わったお客さん

長いこと行政書士として相談を受けていると、たまにおかしなお客さんも来る。
おかしい人というのは最初まったくおかしく見えない。
ただ、途中から話がおかしくなる。
それでいて、全体を通してみると不思議に筋は通っている。
もちろん、一般常識からすればおかしな論理なのだが。

まだ若い女性。
彼氏がまったく働かない人なので別れたが、復縁を迫り嫌がらせをしてくるのだという。
これだけならよくあるパターン。
ところが途中から話がおかしくなる。
「先生、新聞とかマスコミで日本の悪口がよく書いてありますよね」
「まあ、そうだね(ネトウヨ系の人か、やっかいかな)」
「記事の『日本』というのは全部私のことなんです。彼が裏から手を回して私の悪口を書かせているんです!」
遠回しに精神科で相談を受けることを勧めてみたが、すでに通院しているとのことだった。

年配の女性が来た。
夫が水商売の女性と不倫関係にあるという。
これもよくあるパターン。
こちらも途中から話がおかしくなる。
水商売の女性はヴァンパイアつまり吸血鬼なのだという。
夫は吸血鬼の魔力の虜になっているらしい。
彼女によるとヴァンパイアには二種類いる。
1つ目は非合法なヴァンパイア。人の生き血を勝手に吸う。こちらは役所に勤めている吸血鬼ハンター的な人に依頼すればよい。
2つ目は政府から認可を受けた公式のヴァンパイア。こちらは国から活動を認められているので吸血鬼ハンターも手が出せない。法律の力でなんとかならないか?
ヴァンパイアというのはなにかの隠語なのかとも思ったが、そういうわけでもないようだ。
話はおかしいのだが、彼女なりの筋、論理は通っている。
現実に吸血鬼が実在したら、知性のある存在を一方的に虐殺するなど許されないだろう。国家が規制をしつつ限定的に活動を認める(相手の同意があり、相手の生命・健康を害しない範囲なら吸血を認めるとか)というのは有り得る話だ。そして、法律に違反した吸血鬼のみ取り締まられる。
役所が相手にしてくれないので、行政書士に相談するというのも筋は通っている。
結局、「そちらは専門外ですので」と説明して帰ってもらった。
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小林行政書士法務事務所
タグ:行政相談
posted by 行政書士  小林 憲一 at 08:35| Comment(0) | 相談