2021年09月07日

ささいな齟齬

(前回「有名な先生」の続き)
「有名な先生」がおかした不備とはなんだったのか?
実は3回目、「有名な先生」が手掛けた申請については特に不備はなかった。
しかし、第一回目、そう申請人本人が申請し、不交付に終わった申請にははっきりとした不備が存在した。
申請人が不交付通知書をもって行政相談を受け、不備を指摘されたにもかかわらず、なんの釈明も修正も行わないまま申請を繰り返したことが問題とされた。

添付書類として提出した市県民税の所得・課税証明書とA社源泉徴収票にささいな齟齬があった。
所得・課税証明書の給与金額とに比べ、A社の源泉徴収票の支払金額が7万円ほど少ないのだ。
考えられる理由としては
@A社の申告あるいは源泉徴収票の作成にミスがあった。
A申請人が他の会社で働いていたが源泉徴収票を提出しなかった。
可能性が高いのはAだろう。
ところが申請人に尋ねると「その年はA社でしか働いていなかった」と断言する。
嘘をついている気配はない。

当時の住所地の市役所税務課に電話で問い合わせてみた。
むろん、個人情報であるから私が直接問い合わせることはできない。
まず申請人に電話をかけてもらい本人確認の後、私が代わるという手段をとった。
その結果、申請人が当時A社の他、B社でも働いており差額7万円強はB社から支払われ申告されていたことがわかった。
申請人にB社の名前を出すと「ああ、そういえば」とやっと思い出した。
7万円程度の給与といえば働いた期間は1〜2週程度だろう。
数年前なら忘れてしまっていてもおかしくはない。

通常なら問題にならないささいな齟齬。
しかし、入管はそこを問題にする。
入管は一つ嘘をついているとすれば、2つ、3つの嘘をついていることを疑う。
明るみに出せない不正な収入を隠しているのではないかと疑うわけだ。

さらに、申請人は行政相談で指摘された問題点を十分に理解していなかった。
所得・課税証明書の金額と源泉徴収票の金額が一致していなければならないことさえ理解していなかった。
「これは会社でもらう紙で、役所でもらう紙とちがう(だから内容が完全に一致する必要はない)」と理解していたようだ。
金額が一致していなければならないと伝えると驚いていた。

問題点がなにか理解していないのだから、問題点を相手に伝えることもできない。
私に対しても、不交付の理由について「お金が少なかったから」としか伝えられなかった。
行政相談では「所得・課税証明書の金額に比べ源泉徴収票の金額が少ない」という指摘を受けたが、「お金が少ない」という言葉だけが耳に残り、「収入が少なかったから不交付となった」と理解してしまったのだろう。
前回の申請のときにも「お金が少なかったから」としか伝えられなかったのだろう。
行政書士が直接面談すれば不審に思ったろう。
しかし、スタッフがルーティンワークとして質問しだけではわからない。

もちろん、ルーティンワーク、流れ作業でもほとんどの場合はうまくいくのだ。
ただしうまくいかない場合も確実に存在する。





posted by 行政書士  小林 憲一 at 16:43| Comment(291) | 外国人ビザ

2021年08月30日

有名な先生

在留資格認定証明書交付申請を3回行ったが不交付に終わった人が相談に来た。
最初の2回は自分でやってみたが不交付に終わった。
そこで3回目は申請取次行政書士に依頼したが不交付に終わったという。

話を聞いてみて驚いた。
相談者は申請取次行政書士と面談していない。
聞き取りはスタッフと、しかも電話で行ったのみ。
郵送された申請書等の書類に指示とおり署名して返送した。
そして、結果は不交付。
不交付理由についても電話で知らされたのみ。

言うまでもなく不適切な対応。
少なくとも初回は直接行政書士が面談すべきだし、署名も行政書士の面前でしてもらうのが原則。
行政書士会でもそう指導されている。

とんでもない先生につかまっていいかげんな申請をされたのではないかと疑った。
しかし、渡された提出書類のコピーを見て驚いた。
書類はしっかりしている。
申請取次者の欄に記載された名前はかなり有名な先生。

やはり、大量の仕事をさばくためにこうしたやり方をするしかないのかもしれない。
書類もしっかりしていたし、聞き取りも郵送のやり方もきっちりマニュアル化されているのだろう。
そして、十中八九、いや九分九厘ほとんどのケースはこのやり方でもうまくいくのだ。
しかし、うまくいかないケースもまれにはある。
今回はそのケースだった。
(続く)
posted by 行政書士  小林 憲一 at 16:28| Comment(43) | 外国人ビザ

2021年07月22日

滞在費支弁方法

在留資格認定証明書交付申請書T(「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」)がには「滞在費支弁方法」という欄がある。さらにその下に「支弁方法及び月平均支弁額」という欄があり、「本人負担」「在外経費支弁者負担」「在日経費支弁者負担」「身元保証人」「その他」にチェック欄があり、各々に金額を記入する。

要は日本に来るのはいいが、生活費を工面するアテはあるのか?ということだ。
予想される生活費月額を記入すればよい。

予想される生活費月額が20万円を夫婦ふたりで折半するとしよう。
「在日経費支弁者10万円」「身元保証人10万円」と記入すればよい。

ただし、算定基準については理由書の中で触れておきべきだろう。


posted by 行政書士  小林 憲一 at 11:51| Comment(0) | 外国人ビザ

2021年06月02日

韓国書類の翻訳(韓国除籍謄本訳文の書式)

韓国除籍謄本の訳文の書式を紹介する
韓国除籍謄本 書式.xlsx

当事務所において使用する、韓国身分関係書類の訳文書式は以上となる。

記号○はハングル。
記号△は数字。
記号×は漢字を表す。
家族関係登録に関する証明書、除籍謄本等、韓国の身分関係書の書類はほとんど漢字を使用しない。
本人の姓名のハングル表記の後のカッコ書きの漢字表記と本貫(「본(本)」とのみ記載される)だけ。
両親の姓名など小さい欄の姓名はハングル表記のみで漢字表記は記載されない。
韓国の姓名は日本のそれと同じくハングル表記のみでは元の漢字名を特定できないので本当は不便なのだが。
(日本人でも「ケンイチ」だけでは「憲市」「健一」「賢一」「健壱」どの漢字名か特定できないようなもの)。
ややこしいことに日本と同じく漢字が同じでも読み(ハングル表記)が異なる場合もある。
(日本人名でも「憲一」は「ケンイチ」とも「ノリカズ」とも読めるようなもの)

翻訳においては原文ではハングル表記でも、他の資料(古い除籍謄本など)で漢字表記が判明する場合は漢字表記で統一した方がいいだろう。
出生届記載事項証明書、婚姻届記載事項証明書など日本側に資料はすべて漢字表記なので、ハングル読みのカナ表記では資料間の整合性をチェックできない。
漢字表記を特定できない場合はハングル読みのカナ表記にするしかないのだが。
posted by 行政書士  小林 憲一 at 16:02| Comment(0) | 日記

2021年04月27日

韓国書類の翻訳(親養子入養関係証明書)

親養子入養関係証明書 書式 訳文.xls
親養子入養関係証明書の訳文の書式を紹介する。

親養子とは入養(養子縁組)をすることで以前の家族関係登録簿が閉鎖され再作成される養子で、日本の特別養子にあたる
親養子については入養関係証明書には記載されないので、帰化申請にあたっては入養関係証明書に加えて、親養子入養関係証明書も提出する必要がある。
親養子入養関係証明書
posted by 行政書士  小林 憲一 at 14:12| Comment(0) | 帰化