2020年01月20日

リセットとしての在留資格認定証明書交付申請

出入国管理及び難民認定法は在留資格変更許可(ビザの種類変更)について「相当の理由があるときに限り、これを許可することができる」と規定している(20条3項)。
許可できるのは「相当の理由」がある場合だけであり、「できる」と規定していることから「相当の理由」があっても許可しないこともできる。
在留期間更新許可についても同様の規定がある(21条3項)。
永住許可申請も「できる」と規定している(22条2項)。
つまり、これらの手続きについては法律が、法務大臣及び出入国在留管理庁の裁量を認めている。

これに対し、「在留資格認定証明書交付申請」については7条の2第1項は「できる」と定めているものの、上陸許可については9条1項が「しなければならない」とさだめ、入管法施行規則6条の2第5項が「交付するものとする」と規定していることから、覊束行為であると考えられる(詳説入管法の実務、P29)。
入管は法律の定める要件(活動の非虚偽性、在留資格該当性、上陸許可基準等)が満たしていれば、在留資格認定証明書を必ず交付せざるをえず、他の事情、たとえば在留において、在留期間更新許可が不許可となった事情を斟酌して不交付とすることはできない(もちろん、不許可になった事情が「上陸拒否事由」に該当すれば「上陸拒否の特例」が問題となるが)。
例えば、留学生が活動時間(週28時間)を超えて資格外活動(アルバイト)をしており、在留期間更新が不許可となったとしよう。
いったん、帰国した留学生が新たに「留学」で在留資格認定証明書交付申請をした場合、前回不法資格外活動をしたという理由で不交付とすることは許されない。
原則として交付される。前回の在留の事情はリセットされるわけだ
ただし、永住許可申請に必要な在留期間もまたリセットされ、やり直しとなる。
これがまあペナルティということになる。

ちなみに制限時間を超えて働いているかどうかは在留期間更新許可申請の必要書類の一つである「所得・課税証明書」から容易にわかる。
週28時間しか働けないはずなのに、所得が200万、300万超えてる。「どんだけ、割の良いアルバイトをしているんだ」と怪しまれ、追加資料の請求がくる。
さらに余談になるが、所得の多さを大目に見てくれた時代もあった。仕送りの少ない苦学生に対する配慮だろうか。しかし、「留学」を隠れ蓑にして、実質働きに来ている人間が多数であることがわかるにつれ、厳しくなった。

帰化・入管手続ならおまかせ!愛知県刈谷市外国人ビザセンター
小林行政書士法務事務所
posted by 行政書士  小林 憲一 at 07:03| Comment(0) | 外国人ビザ

2020年01月18日

必要書類について

入管への申請における必要書類をどうするか?
在留資格認定証明書交付申請の場合なら、
日本での活動内容に応じた資料【在留資格認定証明書交付申請】
に記載されている資料を揃えて出すだけだろうと言うかもしれないが、実際にはなかなか大変だ。
入管が「このほか,申請いただいた後に,当局における審査の過程において,上記以外の資料を求める場合もありますので,あらかじめ,ご承知おき願います。」と但書をおいているとおり、これ以外にも追加資料の請求があることが多い。
そして、追加請求があることがわかりきっている資料については申請時に全て揃えて提出すべき。
追加請求があってから提出するばいいという甘えた態度は慎むべき。
追加請求がなく、いきなり不許可になる可能性もある。
そうでなくとも、審査が無駄に長引き、不利になる可能性が高い。

一方、とにかくたくさん資料を提出すればよいというものでもない。
審査官は提出されたすべての資料を精査しなければならないから、不要な資料を提出すれば審査が長引く可能性もある。
さらに、資料間の齟齬があるとそれだけで不許可となる可能性もあるが、資料が多ければ齟齬が発生する可能性のそれだけ多くなる。

入管は資料間の齟齬を非常に嫌う。

こんなケースがあった。
中国人女性と結婚し、「日本人の配偶者等」で在留資格認定証明書交付申請をしたが、不許可となった事例。
調べると資料間の齟齬が直接の原因。
「質問書」には日本人夫は再婚(二回目)、中国人女性は初婚と記載。
ところが「結婚証明書」として提出した「居民戸口簿」(これを提出してしまった点ですでにアウト。居民戸口簿は日本の戸籍謄本に該当するものではなく、各家庭に備え付けておかねばならないもの。そして、入管に提出した書類は原則として返還してもらえない。「原本還付」といい、予めコピーを用意して「原本還付をお願いします(原本は返してください)」といえば、原本は返してもらえるのだが、彼はそれも知らなかったらしい)には中国人女性の結婚歴が記載されていた。
通常、提出する「結婚証明書」には結婚歴は記載されていないので、こちらを提出すれば問題なかった。
さらにまずいことに彼は申請書に固定電話の電話番号のみ記載し、携帯電話番号を記載しておかなかった。
別に悪意はなく、「そこまで記載しなくとも」と思ったらしい。
一人暮らしで日中は仕事に行っているにもかかわらず。
結局、彼は入管からの問い合わせの電話に出ることはできず、結果不許可となった。
せめて、電話に出ることができれば、理由を説明して(理由書の提出を求められた可能性はあるが)許可されたかもしれない。

かれが「質問書」に女性が初婚と記載したのは国際私法についての誤解。
中国人女性はかつて日本人男性と結婚し、中国において結婚登記をしたが、日本での婚姻届は提出しなかった。
彼は国際結婚は両方の国に届け出をしなければ成立しないと考えていた。
しかし、国際私法において、一方の国で結婚が正式に成立すれば他方の国でも結婚は成立している。
中国で結婚登記が完了しているならば、日本での婚姻届は報告的届出にすぎない。
中国の結婚証明書を提出すれば、婚姻届には一方配偶者の署名だけで足り、証人も不要。

ささいな誤解に基づく、ささいなミスに過ぎなかったのが、ミスにミスが重なったことから不許可となってしまった。

幸い、事情を説明した理由書を添付し、新たに在留資格認定証明書交付申請を行ったら、短期間で許可された。

帰化・入管手続ならおまかせ!愛知県刈谷市外国人ビザセンター
小林行政書士法務事務所
posted by 行政書士  小林 憲一 at 22:00| Comment(0) | 外国人ビザ

2020年01月16日

申請書の書き方

申請書の書式は今は法務省サイトの該当ベージからダウンロードできることは説明した。
正しい情報を得るためには
昔は私がせっせとスキャンしたものをPDFにしてサイトにアプロードしたものだが、いまや公式サイトがお墨付きで公開している(こちらはその程度ではアクセスアップできなくなったw)
しかし、書式だけで書き方はおろか、記載例すらアップされていないのが解せない。
記載例のPDFをアップするぐらい大した手間でもないし、結果インフォメーションセンターや入管の負担が減るのだからやるべきだとおもうのだが。

公式の記載例、書き方については
財団法人入管協会から「わかりやすい入管手続 必要書類と記載例集」が出ている。
入管協会は出入国在留管理局内でインフォメーションセンターをやってるところだから、お墨付きといっていい。
ネット上の申請書の書き方もほとんどこれを参考にしていると思う。

その書き方を踏まえて一つアドバイス。
空欄は極力作らない。
たとえば、「在日親族」の欄。
単身者でも日本に親族がおらず、同居者がいない場合も空欄にはせず、「なし」と記載する。
「上陸予定港」が決まっていない場合は「未定」とする。
「就労予定期間」も決まっていなければ「未定」とする。
空欄にすると審査官はミスで記入し忘れたのか、未定、なしとの意味で空欄にしたのか判断がつかない。

旅券(パスポート)も申請中で旅券番号、有効年月日がわからない場合、「申請中」と記入する。
余談になるが申請人(呼びたい外国人)が旅券をもっていないケースもある。
その場合、旅券が発給されなければ在留資格認定証明書交付申請できないのかというと、そんなことはない。
前述のとおり、旅券番号、有効期限の欄は「申請中」と記入すれば足りる。
旅券が発行された時点で旅券のコピー(メールで送ってもらう)とともに申請書の1ページ目に旅券番号等を記入して追加提出すればよい

帰化・入管手続ならおまかせ!愛知県刈谷市外国人ビザセンター
小林行政書士法務事務所

posted by 行政書士  小林 憲一 at 17:46| Comment(0) | 外国人ビザ